万葉の森(44) 樹皮(木のはだ)

冬になると葉の落ちにくい樹種(カシワなど)を除いてすっかり葉を落としてしまいます。夏の姿を思い出しながら冬の自然観察をするのも楽しいものです。

樹木はそれぞれ特徴のある樹皮(木のはだ)をもっています。木のはだには縦すじのもの・横すじのもの・網目のもの・はん点のもの・トゲトゲのものなど、いろいろの型があります。クヌギとクリなどは葉の形はよく似ていますが、木のはだではっきり区別できます。ネジキやアツカワコナラなどは木のはだのようすからつけられた名前です。この二種 は竜岡上の水ヶ峠トンネル入口の向かい側須賀神社社有地内にある大木で、県内でも保護しなければならない木ですが、先月の調査ではすっかり弱っていました。長年放置されたことが最大の原因だと痛感しています。

かつての雑木林は、薪や炭を作るため十五~二十年ごとに伐採してきました。この間必要以外の木は切ったり、下草をかったり、落ち葉を集めて堆肥の材料にするなど常に手入れし、利用していました。ところが、近年ガス、石油などの燃料が普及し、農山村の人手不足などで雑木林は手入れされなくなってしまいました。

総合公園も一部分には雑木林が残っていて、万葉の森作りにずいぶん役立っていますが、植林されたスギ、ヒノキの林が大半を占めているので、万葉の森植物園造りなどには大きな課題になっています。