12、葛谷



(1) 天満神社

祭神は菅原道真神、大己貴命小名彦命、月夜見命、大山津見命、昧租高彦根命。
 由緒は大己貴、小彦名の二神の巡狩の古跡で、天津神社と称した。
 仁和4年(888)3月菅原道真公巡駕の途次、天津神社に奉幣、正徳4年(1714)2月里人たち道真公の遺徳を慕って国司に請い、北野天満宮より勧請した。
 境内地は686平方メートルで、社叢はスギを主体とした明るいお宮。拝殿の東側の3本のスギは、根元がくっつきそうで、目通りは274cm、240cm、303cmあり、その他のスギも250cm前後のものばかりで、見事な大木である。
 その他、目通り230cmのイ口ハモミジ、104cmのヤブツバキ、サカキ、クスノキ、ツガ、ヤマモモ、モッコク等落ち着いた社叢である。
 石造物では、鳥居文政7年(1824)、昭和46年再建。幟立は文久3年(1863)、片方は平成2年再建。狛犬は皇紀二千六百年記念(明治38年)、常夜塔は嘉永2年(1849)、注連石は大正10年(1921)皇太子殿下外遊記念の銘がある。
 今回の国土調査の際、個人の山林が天満神社の名義になっていることが判明したとのこと。これは明治時代に社格(村社・県社等)を定める際、一定の財産が必要で、苦肉の策としてこのような策を講じていたようで興味深い。 

浮穴政成氏・阿部義文氏にお聞きする。
 青井 三郎

玉川ウォッチング